2026.05.28
ワイツーレザーの定番デザインを深掘りする三部作。 その2 『シングルライダース “42シリーズ”』編
140、42、76……。これらの数字が何か解りますか? もしも数字だけでピンッときた方は、相当なワイツーマニアですね。実はこの3つの数字、アルファベットと組み合わせて各プロダクトを管理する品番の一部で、数字の部分が型紙番号を意味しているのです。そして上記の型紙番号はワイツーレザーの中でも「定番」の背番号。長年にわたって愛され続けているロングセラーモデルの証でもあるのです。当ブログでは3回に分けて、3つの定番デザインを深掘りしていきたいと思います。2回目は「42」、シングルライダースJKTにフォーカスします。

常に高い人気を誇るトップランナー
ワイツーレザーの数あるモデルの中でも突出してお問い合わせが多く、また愛用していただいている方々から好評なのが、この「42」シリーズです。フロントはジッパー仕様、背中にアジャスターベルトとアクションプリーツを装備しており、オーセンティックなシングルライダースJKTとしてカテゴライズされていますが、モーターサイクルシーンはもとよりデイリーなレザースポーツJKTとしても活躍し、初リリースから20年も経っているのですが、現在に至るまで人気が衰えることなく毎年、トップセリングを記録しています。
流麗なシルエットと優れた運動性を兼備したパターン


ワイツーレザーきっての長寿シリーズ、42が高い人気を誇るのには理由があります。その一つが42ならではの、考え抜かれたパターンによる流麗なシルエットと見た目以上の着やすさです。もちろんプロダクト単体の画像からもシルエットが綺麗だということが想像できますが、実際に袖を通せばよりその良さを理解できるでしょう。ややタイトなチェスト周りから裾に向かって深く内側にえぐったウエストライン。それに対して背中に設けたアクションプリーツが肩周辺に広い可動域を与えているのですが、さらに注目していただきたいのが背中の中央に設けられたハギ。スポーツJKTやライダースJKTは背中にヨークを設け、そのうえでハギを入れるのが一般的なのですが、42シリーズはヨークを介さずに縦一直線のハギを入れた珍しい仕様です。これは人間の背中が背骨を中心に丸みが出ることから、ハギに沿って背中が綺麗に収まって中央に自然な膨らみが出るように構築したワイツーレザーのオリジナルパターン。それゆえに羽織っていただくと文字通り、カラダにまとわりつきながらも運動性は損なわれない、という絶妙なフィット感を体現できるんです。
ワン・アンド・オンリーを中心とした42ファミリー


「42」シリーズの中でもワイツーレザーの存在を世に知らしめたのが、シリーズのオリジンである“HVR-42”です。同モデルのメインマテリアル、HVホースは現会長の時代、ブランドがスタートした27年前にタンナーとともに開発した歴史あるホースハイドです。革の銀面に塗面を重ねる顔料の艶には頼らず、染料で革自体に艶を出すことを目指したもので、素仕上げの段階でパラフィン(=蝋)を染み込ませ、その光沢が出るようにつくりました。内側から湧き上がるようなパラフィンの艶感と、エコホースに次ぐ約1.6mmの肉厚な質感から人気の高い素材ですが、夏はパラフィンが溶けてしまい、また冬は固まってしまうために生産期間が限られる気難しい革です。そのため量産があまりできないことから、現在ではこのモデルにのみ使われている「ワン・アンド・オンリー」な素材と言えるでしょう。
カタログページでは、たくさんの襟付きシングルJKTをご覧いただけますが、品番の末尾に「42」を冠しているモデルはすべて同ファミリーです。HVR-42(HVホース)に始まり、ワイツーの代表素材の一つであるインディゴホースを採用したIR-42。牛革とは思えないほど柔らかく、たっぷりのオイルでしっとり仕上がったステアオイルのSR-42。さらに、ホースハイド専業のタンナーにてアニリン染料で仕上げ、ホースのようなきめ細かい銀面と透明感のある発色を具現化したアニリンステアのLSR-42が加わって、今季のコレクションを彩っています。この機会に42シリーズの、秀逸な着心地を体感してみてください。