2023.04.21
BULL HIDEからの挑戦状①
タイトルを見て頂いても意味が分からない方も多いと思います。
私自身も意味わからんな。
と思いながら書いてます。
今期25周年。
記念年でしかつくれない1着。
いやむしろいい意味で、記念年でもつくりたくない1着は何だろう?
と意味も分からない妄想を数年前よりしてました。
そんな時ブーツ用の革仕込みで姫路に行った時に見た光景。
何度も見たはずなのに改めて見てびっくりしました。
一枚目の画像です。
通常革は洗濯ばさみのようなので吊って乾かします。
ただこの革は重すぎて吊れないので、昔ながらの釘を打って乾かすと言う方法をで行うのです。
革も厚みがあるので1枚乾かすだけでもとても時間がかかります。
妄想を膨らませてたのはこれだ。
ブーツも良いけどやはり革ジャンだ。
私の小学生の息子が、初めて任天堂スイッチを買ってもらって感動してた以上のテンションだったと記憶してます。
ただ相手は5㎜以上の強敵ブルハイド。
とりあえず何ミリなら裁断できて縫えるかを検証しました。
エコホースは2mm前後。
厚い箇所だと2.3㎜くらいになるのでとりあえず2.5㎜から始めました。
縫製場厳選し、エコホースを得意とする職人し任せることにしました。
縫ってみると革は厚いけど、いい意味でエコホースで慣れているのでミシンのピッチも安定します。
こうなればキリの良い数字「3㎜」だーという無理やりな流れになりサンプルをつくりました。
この革は通常5㎜以上の厚みがあるので「割り」という革を一枚そのままで薄くする工程を加えます。
この「割り」をすることにより革の厚みに「差」がなく、すべて3mmに安定します。
ステアオイル0.8㎜、エコホース1.3mmも同じですが最初からその数字で仕上げるのではなく
厚くして希望の数字に薄くする。
こうすれば革はしっかりと5㎜分「タンニン」、「オイル」を吸い込みます。
それを3㎜に割っても見た目は5㎜の荒々しい雰囲気のままです。
そうして仕上がった3㎜ブルハイドを裁断、漉き、縫製と進めるのですが各工程に置いて難所が。。
その説明はまた次回「BULL HIDEからの挑戦状②」で行います。
修正したサンプルを見ましたが、少し割れやすかった革もかなり改善されました。
特殊な仕上げ、工程の為、ひと月に12着分しか仕上がらないブルハイド。
やっと最初の量産分の革ができたと、タンナーさんより連絡がありました。
遠足のようなワクワク気分で今から姫路に行ってきます。
現場第一。