2025.11.20
【Y’2 LEATHER|エイジング(経年変化)と革素材について 後編】
革ジャンは、手にした瞬間も十分に格好良いものですが、
本当の魅力が宿るのは “着込んでから” だと私たちは考えています。
今回は、前回に続き 「エイジング(経年変化)と革素材について〈後編〉」 をご紹介いたします。
まだ前編をご覧になっていない方は、ぜひこちらもお読みください。
https://y-2leather.com/ja/news/253
(※ 掲載アイテムは『HailMary Magazine』にて特集いただいたモデルを中心に構成しております。)
① エコホース Gジャン 黒[EB-141]
※現在、セカンドタイプは生産しておりません。
商品提供:CELLULOID/着用約2年
② エコホース Gジャン オリーブ[EB-140]
商品提供:LUA/着用約3年
エコホースは、1930年代の無垢なホースハイドをイメージし、徹底的に作り込んだ素材です。
タンニンとオイルをしっかり含ませながら鞣し、革を強く“締める”ことで、20%前後も縮ませています。
この工程により、独特の厚みと硬さが生まれました。
着込むほどに革が揉みほぐされ、「キュキュ」と鳴く独特の音を立てながら、着る人の身体に吸い付くように馴染んでいきます。
厚みは平均1.8mm前後、場所によっては2mmを超えることもあります。
最初は腕を曲げるとあざになり、ボタンを留めようとすると爪が割れそうになるほどの硬さですが、
着込み続けるほど “自分の身体にしか馴染まない1着” へと育っていきます。
エイジングの画像をご覧ください。
マットな表情だった革は、着込むことで徐々に艶を帯び、シボが浮かび上がり始めています。
特別なメンテナンスは必要ありません。
ただ、愛情を持って袖を通し続けるだけで、必ず “最高の相棒” になってくれます。
③ ヴィンテージホース シングルライダース 黒[HR-41]
商品提供:LAHAINA/着用約3年
ピグメント仕上げを施したヴィンテージホースは、下地を茶色に染めた後、黒で仕上げています。
着込むことで徐々に下地の茶色が覗き、味わい深い表情へと変化していく素材です。
新品時には光沢がありますが、着用を重ねるほどに光沢が落ち着き、
画像のように、柔らかな“ヤレ感”が出てきます。
ヴィンテージホースならではの渋いエイジングが魅力です。
④ アニリンホース ワークジャケット チェリー[LS-16]
Y’2 LEATHER 所有/着用約3年
アニリンホースは、鞣しと仕上げの工程でオイルをたっぷり含ませ、
アニリン染料のみで仕上げた透明感あふれる素材です。
一部に顔料を使う「セミアニリン」と異なり、
顔料を一切使用していないため、アニリンならではの深い艶と、しっとりとしたオイル感が際立ちます。
よくご質問をいただく「エコホースとの違い」について簡単にご説明すると、
アニリンホースはエコホースほどの硬さはなく、アニリンの上品な光沢が特徴のため、
テーラードジャケットやコート、今回のワークジャケットなど、ドレッシーなアイテムと相性が抜群です。
最初は強めの光沢がありますが、着込み続けることで少し落ち着き、
袖や動きの出る部分は再び美しい艶が増していきます。
革は、着る人の時間とともに、ゆっくりと、確かに変化していきます。
手をかけすぎる必要はありません。
「愛情を持って着続けること」――その積み重ねが、唯一無二のエイジングを生み出します。
あなたにとっての “最高の一着” が育っていきますように。









